そろばんで磨いたチカラは一生の財産です。
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勝村 務 准教授 北星学園大学経済学部准教授 東京大学・同大学院を卒業 2006年より現職
小2から中2まで、そろばん塾に通っていました。
最初に通った大きな塾で、東京の暑い夏、読み上げで一斉に珠をはじいていたこと。引っ越してから友達と自転車で通った小さな塾で、他の小中学校の上級生・下級生とも仲良くなったこと。検定試験を前に、家で必死に練習に励んだこと。そして、検定試験会場の空気。いろいろなシーンが、そろばんの珠の音とともに思い起こされます。
そろばんは、数への感覚を磨いてくれます。
珠算、そして、その応用としての暗算をそろばん塾で身に付けることで、数字がアタマのなかでそろばんの珠として常にイメージできるようになり、計算を厭わなくなります。
ま、時に数学の先生に、問題を解くときに計算の負担を軽減する工夫をせずに計算力に頼りすぎ、と呆れられたこともありましたが、数や計算に苦手意識を感じずにすむというのは、算数・数学を好きになる入口になるように思います。他の教科の学習や日常生活においても、そろばんで磨いた数への感覚や計算力はプラスになるのは間違いありません。
電卓ばかりかパソコンも普及するようになり、一見、そろばんの役割は終わったように見えつつも、実際は、そろばんはますます見直されつつあります。
電卓やパソコンでの計算は、いわば、カーナビのようなものです。カーナビは、活用次第では大いに有効ですが、それのみに頼っていては、街はいつまでも見知らぬ土地であるままになってしまします。
そろばんで磨いた数への感覚は一生の財産です。学習、仕事、日常といったさまざまな場面でいくつもの数字に出会うとき、知らず知らずにアタマのなかで計算をし、関係や意味を大づかみにつかむようになります。電卓やパソコンで計算することが多くなればなるほど、あらあじめ数字を感覚としてつかむことができているかどうか問われてくるので、いまや、そろばんが見直されつつあるわけです。
そろばん塾で楽しく学ぶことにより、多くの小中学校生のみなさんが数への感覚を研ぎ澄ませていくことができますように。
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